お葉つきイチョウは必見

宝乗寺

古くから開かれたお寺ですが、江戸時代の宝永5(1708)年に火災で焼失し、現在のお堂は嘉永5(1852)年に再建されたものです。本尊は地蔵菩薩で、子授け地蔵ともいわれます。

嘉永元(1848)年、新瀬川村庄屋石川与之助が発願し、宝乗寺を中心に「新成新四国八十八ヶ所」が開かれました。これは当時の主要道沿いに霊場八十八ヶ所を建立したもので、全行程は12.3kmあります。第2次世界大戦後しばらく廃れていましたが、昭和55(1980)年に復活し、現在では4月と10月の第1日曜日に催される縁日には多くの人でにぎわうまでになっています。

境内にある大きなイチョウは「お葉つきイチョウ」として親しまれている大木で、樹高約20m、周囲が約4m、樹齢は約300年と推定されています。昭和41(1966)年には県天然記念物の指定を受けました。銀杏がときどき葉の上にできることがあることからこの名前があります。
大小の異様な気根(柱瘤とも「ちち」ともいう)が幹や枝から多数垂れ下がり、昔、乳の出ない女の人がこの木に乳の出るようにお祈りをしたそうです。そこから「乳出しのイチョウ」の別名も。また子宝に恵まれない人も願いを書いた紙片をこの気根に結びつけ、本尊の地蔵菩薩に祈ったといいます。

[霧の森からのアクセス]車で5分(ルートマップ